アントニオーニ追悼の滝 [まぶさび詩]
イタリアの映画監督、ミケランジェロ・アントニオーニの死が報じられていた。7月30日、94歳だったという。
1960年代のアントニオーニは、本当に冴えきっていた。高校生の頃に見た『太陽はひとりぼっち』や『赤い砂漠』、『欲望』などは、よくわからないなりに鮮烈な印象だけは、いまだ消えない。
のちに、自ら訳すことになったエーコの『開かれた作品』では、『情事』が「開かれた作品」の代表として分析されていたし、ドゥルーズが、ウェーベルンやフーコーに用いた「積極的な稀薄さ」という評言も、いま思えば、アントニオーニにこそ当てはまるのではないか。そして、どうしても白のイメージが、ぼくにとってのアントニオーニには不可分だ。
稀薄さに、ましろなる、さけびたつ
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