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折々の超絶短詩 [超絶短詩]

いつの頃からか、毎日のように、Twitterで超絶短詩を投稿するようになった。
そして、最近は、「毎日のように」が「毎日」になったような気がする。
名づけて、折々の超絶短詩だ。
別にかまえて創作しているわけではない。
新聞やチラシ、テレビやユーチューブなどから入ってくる言葉が分解されて、自然にできてしまうのだ。
ちなみに、われながら、傑作と思えるものも、中にはある。
いくつか挙げると、下記のとおりだ。

葉(春麗)るーらら
晩杯(バンパイア)あ
好きっ(スキップ)ぷ

なお、この2月に、久しぶりの超絶短詩集『秘剣まぶさび』(七月堂)を刊行したので、Twitterの名前も、「美学講義あいだ哲学」から「秘剣まぶさび」に変えておいた。
かといって、売れる本とは無縁の世界に生きているので、宣伝にも何にもならないのではあるが・・・

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ギャ句゛は点化句法 [あいだ詩学]

夏井いつき『子規を「ギャ句゛」る』(光文社新書、2020)を読んで驚いた。
ギャ句゛とは、もとの句を少しだけ変えてみる句法のことらしいが、夏井さんは、どうやらこの句法が新しいものと思い込んでいるらしいのだ。同書の「はじめに」で「ギャ句゛は、俳人杉山久子を宗匠として始まった。…(中略)…日本ギャ句゛協会会長を自称し始めたのが、ワタクシ夏井いつき」と明言しているからである。
いやはやトンデモないこと。人気番組プレバトでもお馴染みの夏井さんともあろうお方が、点化句法のことをご存じないとは!
点化句法については、すでにこのブログの「点化句法を超絶短詩にしてみれば」(2010年7月27日)で記しておいた。
https://mabusabi.blog.ss-blog.jp/2010-07-26

同ブログ頁から、めぼしいところを下に引く。

楠元六男『芭蕉、その後』(竹林舎、2006)によって、点化句法のことを知りました。
元のものから少し変えるだけで、趣をがらりと変えてしまう手法のことです。

やみの夜は松原ばかり月夜かな (作者不明)
闇の夜は吉原ばかり月夜哉 (其角)

前句の「松」を「吉」に変えることで、其角はまるで趣の違うものを作り出しています。
前句で、松原は闇のように暗いのですが、後句で吉原は月のように明るいのです。
なぜかはわかりますね。。。
同書によると、其角は、芭蕉と共有していたこの句法を徹底させていったとのことです。
同じ楠元の『江戸の俳壇革命』(角川学芸出版)も読み合わせると、この句法は、水間沾徳へと受けつがれ、さらに広まっていったようです。
点化句法のことを知ったおかげで、わたしくめの『ほう賽句集』(七月堂、2008)でやろうとしたことが、よりはっきりとしてきたように思いますし、おまけに、点化句法は超絶短詩にもどこか通じるところがあるように思います。
いろいろ知らないことがあるものです。

以上のとおり、およそ10年前にワタシはブログに記した。そこに引いた拙句集『ほう賽句集』は、尾崎放哉の句を、点化句法で換骨奪胎したものだ。夏井さん的に言うなら、ギャ句゛ったのである。
ただ、かくいうワタシも、同句集をまとめた段階では、点化句法のことを知らず、本歌取りならぬ本句取り、などと同句集あとがきに記していた。したがって、自戒の念を込めて、同ブログを綴ったのである。
われながら自戒の念は続いたようで、拙著『差異の王国 ― 美学講義』(晃洋書房、2013)でも、点化句法に触れておいた。
誤解しないでほしいが、ワタシはギャ句゛の試み自体は喝采を送りたいほど、共感を覚えている。別に自慢するには値しまいが、ワタシ自身もダジャレ(すれすれ)詩人という冷笑の中、詩作してきたからだ。ただ、日本文学の奥行きを知ってほしいのである。そういった思いから、ここにめずらしく長文をブログに綴った次第だ。
 





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まぶさび詩2019 [まぶさび詩]

2019年のまぶさび詩を、まとめておきます。
我ながら、情けないものもありますが・・・

まぶさび詩2019

初日の出、手のひらに、あふれたつ (二〇一九年明くる年の滝)

空海さん、いらっしゃい、タヌキです (屋島に太三郎狸出で立つ滝)

平成を、惜しまんと、ボタン咲く (平成末に牡丹開く滝Ⅰ)
平成を、塗りのこし、ボタン咲く (平成末に牡丹開く滝Ⅱ)
連休を、ものうげに、ボタン咲く (平成末に牡丹開く滝Ⅲ)

平成へ、振りかえり、降りかかる (令和初日に降る滝)
平成は、いずこへと、首かしげ  (令和初日にボタンに降る滝Ⅰ)
初雨を、受けかねて、うなだれて (令和初日にボタンに降る滝Ⅱ)

お日さまの、口づけに、顔あげて (機嫌直して牡丹滝)

むらさきの、妖精の、まいつどい (エレモフィラの咲き集う滝)
散る花を、惜しみつつ、光飲む (エレモフィラに光そそぐ滝)
散りてのち、まぶさびの、滝にたつ (その後のエレモフィラ滝)

わが古書に、一円の、お賽銭 (アマゾン・マーケットプライスの滝)

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ダ・ヴィンチニュースに拙新刊書評 [あいだ哲学]

ダ・ヴィンチニュースというサイトに、拙新刊書『あいだ哲学者は語る ― どんな問いにも交通論』(晃洋書房)のレビューが出ています。
評者は神保慶政さんです。

https://gunosy.com/articles/RZyyK

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東京新聞に拙新刊書の紹介記事 [あいだ哲学]

1月20日の東京新聞(中日新聞)に拙新刊書『あいだ哲学者は語る ― どんな問いにも交通論』(晃洋書房)の紹介記事が出ていました。
東京新聞紹介1.jpg
タグ:交通論
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まぶさび詩2018 [まぶさび詩]

まぶさび詩2018
今年つぶやいた「まぶさび詩」をまとめて掲載します。


積雪を、はべらせて、ひかりたつ (雪に光り立つ滝)

二度寝して、けだるさを、満喫す (まどろみしたたる滝)

春という、季節わく、カメムシも (啓蟄の滝)

梅ピンク、黄水仙、オドリコソウ (春告げる三色滝)

忖度が、忖度を、呼びしぶく (忖滝)

日のもとに、神つどい、仏たつ (本地垂迹の滝)

陶板に、美術史を、滝のぼり (大塚国際美術館昇龍の滝)

城の塔、髪つたい、星のふる (ペレアスに恋こぼれる滝)
 東京オペラシティで『ペレアスとメリザンド』。
 セミステージだったので、それほど期待はしてなかったけど、思った以上によかった。
 さすが、オペラ史上の奇跡と言えるだけある。
 まずは三幕一場の有名な場面に、まぶさび詩を捧げておく。

ムラサキを、紫の、抱きとめて (ムラサキシキブ紫御殿に降りかかる滝)
 ムラサキシキブを剪定してたら、間違って切った枝が紫御殿の上に落ち重なっていましたので。

日を受けて、露落ちて、色と咲く (裏山に花しぶく滝)
 裏山に一つだけ鮮やかに咲く花が見えましたもので、思わず・・・
 秋の気配も深くなってきました。

くだけちる、宝石の、花しぶき (アメシストセージの滝)

木から地を、色づかせ、冬きたる (紅葉散る滝)
 暖冬にも、着実に紅葉は色づき、散っていくものなのですね。

目ざめたつ、胸奥の、地中海 (マントンの思い出しぶく滝)

夢の闇、うちぬぐい、空の青 (時伝い立つ地中海滝)

 変な夢で目ざめたとき、なぜか昔、地中海沿いのコクトー美術館の東側で寝そべっていたときのことを思いだし、悪夢もぬぐい去られました。

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今年2018まぶさび大賞の発表 [現代アート]

今年2018まぶさび大賞は下記のとおりです。

宮永愛子「life」
2018年6月20日―7月21日
ミヅマアートギャラリー(東京)
透明なキャンヴァスにいくつもの気泡が封入された作品が、さまざまにギャラリー空間に展示されていました。気泡を通しても驚きの光景が。前年の大原美術館での試みを、さらに純化し新展開させたものとして評価したいと思います。

まぶさび大賞2018c.jpg
まぶさび大賞2018d.jpg
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国立国際美術館で講演会のお知らせ [現代アート]

「ニュー・ウェイブ 現代美術の80年代」
講演会 「アートはこんなにヤワコい ― 80年代は別格だね」
講師:篠原資明(高松市美術館館長)
※12月23日(日・祝) 14:00~ /国立国際美術館B1階講堂
※無料、先着130名、当日10:00から整理券配布

http://www.nmao.go.jp/exhibition/2018/1980.html

タグ:80年代
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拙書評、東京新聞に掲載 [あいだ哲学]

うっかりして見落としていました。
拙書評が12月9日(日)の東京新聞(中日新聞)に掲載されました。
取りあげた本は、安藤礼二『大拙』講談社です。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/


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今年の超絶短詩です [超絶短詩]

今年の超絶短詩大賞は、髙松市在住の嶋崎寛子さんによる下記作品に決定しました。

雨  ふと (アメフト)

アメフト界を襲った不祥事を軽くいなしたおもむきが、オシャレでいいですね。
今回の大賞作も、まぶさび流に作品化して、勤務先の美術館館長室に飾っておきます。
今年もたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
秀作が多くて、うれしい悲鳴の選考だったと付け加えさせていただきます。

今年の流行語大賞2018.jpg
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